優奈は医者になりたくて医学部に入学したわけではない。家柄でやむを得ず入り、専攻も決められずにいた。
陸上競技をしていた夏輝に見惚れ、二人は付き合うことになる。彼の推して整形外科に専攻を決めるが、優奈はレジデントで、夏輝は現地訓練で離れてしまう。
専門医になり、安定した生活で寂しさを感じた優奈。その時、知り合いの開業パーティーであるバーに行くことになる。
バー「ス二ェーク」オーナーでバーテンダーの冬輝は無口でクールな年下の男。絵やクラッシックなど趣味が合い、自分と似ていた彼に安らぎを感じる。
いつの間にか、外来が終わるとバーによる日常になった。
ある日、夏輝はバーに現れる。冬輝は夏輝を「兄」だと紹介する。
夏輝が嫌で別れたわけではない優奈は夏輝が気になる。
冬輝がいるにも関わらず、夏輝に引かれ、やがてプロポーズされる。が、プロポーズは冬輝にバーですることになった。そこに優奈の先輩で夏輝の元彼女、彩香が茶々を入れる。
彩香は医学部時代にクィーンで優奈の憧れの存在、理想の先輩だった。そんな彩香が優奈に言ったのが、夏輝が優奈のせいで負傷し、引退したという事実。夏輝のケアを彩香がした。何も知らなかった。何も出来なかったことに挫折したあのバーに行けなくなった。
季節が変わる頃、冬輝が患者として訪れる。手首が痛いと始めた話はもう会わないかとちゃんとしたお別れ宣言を聞きに来たという話だった。
夏輝のことで頭がいっぱいだった優奈は冬輝のことをすっかり忘れていた。冬輝を付き合っているのに夏輝にプロポーズされて結婚まで考えていた。冬輝に店で夏輝にプロポーズされた。変な気分だ。なぜ、冬輝はそれを許したのか。複雑な心はもっと酷くなった。頭痛で目眩がした。
毎日のように通う冬輝は来る度小さなプレゼントを持って来た。花束、スイーツから、展覧会、演奏会のチケットまで消耗品、残らない物で要らなかったたら捨ててもいいとのコメント付きでも期待していた。
ある日突然、手振れで来た冬輝はもう治ったから来ないと言った。
彼が来てプレゼントを楽しみにしていた日常は非日常になった。
冬輝も夏輝も思わずに「お別れ」を味わっていた優奈は寂しさに追い出されバーに行ってみた。季節が変わり、センスのいい冬輝のお店は雰囲気がガラリと変わっていた。そして優奈の席に誰かが座っていた。席の主は朱音と言うOLで、